思い出してみてください。自分が目の前の作業をしようと思った矢先に相手から「〇〇しろ!」と言われて、一気にやる気を失ってしまう。1度はこんな経験はないでしょうか?
どうすれば相手のやる気を無くさずに伝えるべきか、というお悩みを解決します。
今回はこういった内容をお話させていただきます。
・相手を説得する行為はNG
・ブーメラン効果
・改善策、デキる人は提案をしている
それでは本題に入っていきましょう。
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相手を説得する行為はNG
結論を言いますと、相手に説得する行為は良くない効果が出ます。
ほとんどの人が無意識に行っているので、辞めましょう。
説得と言うと、わかりにくくなるので少し砕いた言い方をすると指示に近いイメージです。
例えば、子どもに「早く机の上を片付けて宿題をしなさい!」と言ったとします。
こんな場面を私も過去に経験しました。
これが会社の仕事場であれば
といった感じで、言われた側は「もうやりたくない!」と、やる気が無くなってしまいますよね。
心理学ではこれをブーメラン効果と言います。
次にブーメラン効果の解説をさせていただきます。
どうすれば改善できるかを早く知りたい人は、こちらをクリックすると結論を知ることができます。
ブーメラン効果
ブーメラン効果は「心理学」と「経済」とで内容が違ってきますので、今回は心理学の内容を前提にお話をさせていただきます。
簡単にブーメラン効果を説明すると、説得されればされるほど、逆の行動や態度をしてしまうことです。
私たちの身近なところで、やりがちなブーメラン効果を5種類紹介します。
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順番に説明させていただきます。
もし、これから記述する行動に心当たりがあれば、この記事を最後まで読んで一緒に改善していきましょう。
①:恋愛のブーメラン効果
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これは恋愛が長く続かなくなるので、なるべく言わないようにしましょう。
②:仕事のブーメラン効果
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これでは相手の心は動きませんし、「なんでいつも来るんだ」といった心情で距離を置かれてしまいます。
③:教育のブーメラン効果
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命令や指示をするなとは言いませんが、伝え方の問題です。
「宿題をしなさい」「作業を済ませといて」などと言われると、反発心が芽生えますよ。
④:政治のブーメラン効果
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実は選挙でもブーメラン効果があります。
「投票して欲しい」と言われると、自分の自由を奪われると感じてしますのです。こちらは後で詳細を書いておきます。
⑤:お話(物語)
イソップ寓話(物語)に出てくる『北風と太陽』というお話があります。
北風と太陽は、どちらが男性のコートを脱がせるかを勝負します。
北風は男性のコートを吹き飛ばそうと強風を押し付けますが、結果は余計にコートを押さえつけてしまい脱がせられませんでした。
太陽は気温を上げて、暑くさせてコートを脱がせることに成功します。
説得が北風で、その反対が太陽です。
押し付けか、一歩引くかということがブーメラン効果として表れています。
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ブーメラン効果の要因
先程の5つのブーメラン効果を説明させていただきました。
どうして、言われた方は反発心や抵抗をしようとするのかというと、以下の要因があるのです。
ブーメラン効果を生み出す要因
- 自分の気持ちを無視されて、賛同された(押し付けられた)
- 嫌いな相手から賛同された(押し付けられた)
- 自分の大切な価値観や信念を説得された
- 自分の立場や意見に対する強い責任感を感じている
- 説得を行うと予告された上で、説得をされた
5項目ありますが、ひとことで説明すると自分の自由を奪われる、壊されるといった脅威感に襲われて反発をしたくなるということです。
コーエンの実験によるブーメラン効果
アメリカの心理学者であるA.R.コーエンによる実験があります。
エール大学における男女共学に関して、批判的な意見を持つ被験者を集めます。
そこで、彼らに「男女共学にどちらかと言えば賛成の意見をもつ被験者を説得してください」と伝えます。
実は被験者というのは仕組まれた人(サクラ)です。
仕組まれた人(サクラ)を2つのグループに分けます。
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グループAは、仕組まれた人(サクラ)に意見を合わせる被験者が多くでたのに対し、グループBの方は仕組まれた(サクラ)に同調する被験者は全体の2割という結果になりました。
さらに、グループBでは男女共学に反発する態度が、逆に強くなってしまった被験者は6割にもなったのです。
少しややこしいですが、こちらをひとことで言うと「説得しようと頑張れば頑張るほど、相手の心は反対方向になる」という結果という事だけ理解すればOKです。
【改善方法】デキる人は提案をしている
では、どのようにしてブーメラン効果を改善するのかと言いますと・・・。
相手を説得しない事です。
もう少し細かく言うと、相手自身に気が付いてもらえるようにすることです。
具体例を出すとこんな感じです。
子どもに「勉強をしなさい」と伝えたい場合。
相手にこう伝えることで、相手自身から「〇〇時からするよ」と言ってくれる確率が高まりますし、自ら言った事は行動をする一貫性の法則もあります。
そして、相手の気持ちを無視せずに提案したかたちで伝えているところが大切なポイントですね。
例えば、これが仕事の場面でも「カタログをお渡ししますので、一度目を通して頂き、ご検討して頂ければと思います。」と言って営業をすれば、相手の会社からアクションを起こしてくる可能性も高まります。
くれぐれも、相手を説得したいと感じてしまう時ほど、説得をしないように考えましょう。
おさらい
では今回のおさらいをしておきましょう。
ブーメラン効果
- 相手を説得する効果は逆効果
- 相手に提案をすることで自分から動いてくれるようにする
この2つのポイントを覚えておけば、今回は大丈夫です。
また、対人関係の心理学をもっと勉強したい人はこちらの本もオススメです。
絵を見ながらなので、心理学の内容がわかりやすくて視覚的に学習することができます。
マンガなので勉強という感じもせず楽しく覚えられますので、興味がある人は詳細のリンクを貼っておきます。
人を動かす他の方法も解説していますので、一緒に心理の勉強をしてみましょう。
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今回は以上です。