スマホで目が疲れる。
そんな悩みを抱えている人にとって、「E Inkスマホ」という選択肢は、ちょっと気になる存在じゃないでしょうか。
僕自身、日々スマホを使いすぎて目がしょぼしょぼすることも多く、できれば“目に優しいデバイス”を探していました。
そんな中、見つけたのがBigmeのHiBreak Pro。
電子ペーパーのようなE Inkディスプレイを搭載しながら、Android 14と5Gに対応した、かなり攻めた1台です。
今回は、メーカー様より製品をご提供いただき、実際に試用させていただきました。
この記事では、HiBreak Proを使ってみた僕が、その使用感や気になった点まで本音でレビューしていきます。
「電子ペーパーって本当にスマホとして使えるの?」「目に優しいってどういうこと?」と気になる人は、ぜひ参考にしてください。

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動画でも紹介
動画でもレビューしています。
イメージしやすいかもしれないので、よければご覧ください。
HiBreak Proはどんなスマホ?
HiBreak Proは、E Ink(電子ペーパー)ディスプレイを搭載したAndroidスマートフォンです。
開発したのは中国のテック企業「Bigme(ビッグミー)」。
もともと電子書籍リーダーやE Inkタブレットに特化したメーカーで、今回のHiBreak Proはスマホとしての機能性と読書端末としての快適さを融合させた、ちょっと変わり種の一台。
注目ポイントをざっくりまとめると…
- 目に優しいE Inkモノクロ画面(6.13インチ)
- 5G対応・デュアルSIMでスマホとしても実用レベル
- OCR・TTS・翻訳などリーディングに特化した多機能搭載
- Android 14&Google Play対応で普通のアプリも使える
見た目はやや武骨ですが、集中したい人、目を酷使したくない人にぴったりのスマホです。
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スペック一覧(HiBreak Pro)
項目 | 内容 |
---|---|
ディスプレイ | 6.13インチ E Ink モノクロ(約367PPI/ブルーライトゼロ) |
解像度 | 824×1648 モノクロカラー |
リフレッシュ技術 | 「SSS」高速リフレッシュ対応(最大21fps/残像除去機能つき) |
OS | Android 14(Google Play対応) |
CPU | MediaTek Dimensity 1080(オクタコア、最大2.6GHz) |
メモリ/ストレージ | 8GB RAM / 256GB ROM(microSDスロットなし) |
バッテリー容量 | 4,500mAh(18W急速充電対応/USB Type-C) |
通信方式 | 5G/4G LTE/Wi-Fi/Bluetooth 5.2/デュアルSIM(nanoSIM×2) |
カメラ | 背面20MPカメラ/前面5MPカメラ(OCR対応) |
サイズ/重量 | 約幅76.6×高さ148.5×厚さ7.6mm/約195g |
対応機能 | 指紋認証、ジャイロセンサー、電子コンパス、GPS、NFC |
主な搭載アプリ | OCRスキャン/TTS音声読み上げ/辞書/翻訳/注釈/読書モードなど |
同梱物など
本体の他にも、専用ケース、USBケーブル、SIMピン、説明書が同梱されています。
日本語はなく、英語と中国語の表記でした。
デザイン・ハードウェア面
HiBreak Proを開封して最初に感じたのは、「意外としっかりした作りだな」という印象でした。
E Inkスマホと聞くと、もっとチープな印象を想像していたんですが、背面はマットな質感で指紋が目立ちにくく、シンプルながら高級感もあります。
サイズは片手に収まる6.13インチ。
片手で画面の端はギリギリ届く感じ。
重さは約193gで、数字だけ見ると少し重く感じるかもしれませんが、重量バランスが良くてズッシリ感はあまり感じません。
ボタンや端子類の配置
- 右側に電源ボタン(指紋認証一体型)と音量ボタン
- 左側にカスタムボタンが2つ(設定で任意の機能を割り当て可能
- 下部にUSB Type-Cポート
- 上部にSIMスロット(nanoSIM×2)
シンプルな設計で、余計な装飾はありません。
ケースをつけなくてもそのまま使えそうな質感ですが、端末を大事に使いたい人は付属している保護ケースを使いましょう。
E Inkディスプレイ体験
HiBreak Pro最大の特徴といえば、やはりE Ink(電子ペーパー)ディスプレイ。
これが思った以上に“スマホとして使えるレベル”で驚きました。
見え方:とにかく目に優しい
まず、目の疲れ方が全然違います。
E Ink特有の紙っぽい見え方で、長時間読んでいても目がチカチカしない。
ブルーライトもゼロなので、寝る前の読書やSNSチェックも気になりません。
太陽光下でもはっきり表示されるので、外でも読みやすいのは地味に便利でした。
リフレッシュ性能:「SSS」高速表示は想像以上
リフレッシュに関しては、「SSSモード」によって約21fpsまで出るため、スクロールやアニメーションもある程度スムーズです。
ただし、液晶ディスプレイの滑らかさに慣れていると、多少のカクつきは感じます。
アプリによっては残像が気になる場面もありますが、「残像除去ボタン」でリフレッシュできるので、慣れればストレスは少なめです。
操作感:読書やテキスト中心なら快適
Webブラウジングや電子書籍の閲覧、SNSの閲覧程度であれば、実用レベルの快適さです。
ただし、動画視聴やゲームには向いていません。
YouTubeは再生できるものの、カクカク感と白黒表示がネックになります。
やっぱり読書メイン端末だと、改めて思いました。
性能・動作感
「E Inkディスプレイって、処理も遅いんじゃないの?」
そう思っていた僕にとって、HiBreak Proの動作は想像以上にサクサクで驚きでした。
Dimensity 1080の実力
HiBreak Proには、MediaTek Dimensity 1080(オクタコア/最大2.6GHz)が搭載されています。
正直、E Inkスマホにこれだけ高性能なチップを積んでくるとは思いませんでした。
普段使いのアプリ(Chrome、Twitter、LINE、Kindleなど)はスムーズに起動&操作できます。
E Inkなのでスクロールにややもたつきはありますが、本体の処理速度自体は快適そのもの。
メモリ8GB/ストレージ256GBの安心感
RAMが8GBあるので、複数アプリを切り替えながら使っても、落ちたりカクつく場面はほとんどありません。
ROMも256GBと大容量で、電子書籍やPDF、ドキュメントファイルをガンガン保存できます。
microSDスロットはありませんが、この容量があれば正直困ることは少ないと思います。
アプリ動作:Play Store対応が強み
Google Playが最初から使えるので、Kindle・楽天Kobo・Chrome・Notion・YouTubeなど、普段のアプリが一通りインストール可能。
ただし、動画系やアニメーション重視のアプリはやはり苦手分野なので、使い方を選ぶ必要はあります。
ソフトウェアと読書向け機能
HiBreak Proはただの「E Inkスマホ」ではなく、“読書・ドキュメント管理の特化端末”としての機能がとても充実しています。
実際に使ってみると、その細やかさに感心しました。
OCRスキャン機能(文字認識)
まず驚いたのが、紙の資料や本をスマホのカメラで撮るだけで、文字を認識してテキスト化できる「OCR機能」。
しかも、認識精度がかなり高く、日本語にもちゃんと対応しています。
名刺やメモ、紙の本なども、すぐデジタルデータ化できるのはめちゃくちゃ便利です。
TTS(音声読み上げ)
TTS(Text-to-Speech)機能では、文章を読み上げてくれるので“ながら読書”にも対応。
読み上げ速度・声の種類もある程度カスタマイズ可能で、視覚的に読むのがつらい時にも助かります。
たとえば、Kindleの文章をコピーして貼り付けておけば、自分の目を休ませながら内容を聴けるという使い方もOK。
翻訳・辞書・注釈機能
PDFやEPUBファイルなどを開いた状態で、単語をタップすれば辞書や翻訳がすぐ表示されるのも嬉しいポイント。
また、注釈・ハイライトも可能なので、“読んで、調べて、メモを残す”がこの1台で完結します。
読書や学習用途にフォーカスした機能がここまで揃っているスマホって、正直他にないんじゃないかと思います。
バッテリー・充電性能
HiBreak Proには、4,500mAhのバッテリーが搭載されています。
使ってみた実感としては、E Inkのおかげでバッテリー持ちは良いかなと。
バッテリーのもち:想像以上
僕の使い方(Kindle・ブラウジング・メモアプリ中心)だと、1日中使っても50%も減らない日があるレベルでした。
ちなみに。Youtubeは1時間連続再生で、9%消費していました。
もちろん、SNSやWeb検索を多用すると減りはしますが、一般的なスマホよりも電池持ちは圧倒的に良いです。
通知やバックグラウンドを適切に調整すれば、2〜3日は余裕で使えると思います。
急速充電:18W対応
付属のUSB Type-Cポートで18Wの急速充電に対応しているので、充電時間もそこまで長くありません。
体感では、0%→100%まで1時間半〜2時間前後。
省電力性と急速充電のバランスがちょうどよく、「毎日充電しなくてもいい」という安心感があります。
カメラ性能(ドキュメント用途中心)
正直に言うと、HiBreak Proのカメラの性能を求めるのは間違いです。
でも、“ドキュメントスキャン目的”ならむしろ優秀なんです。
リアカメラ:20MPで書類もくっきり
背面には2,000万画素(20MP)のカメラが搭載されていて、OCRとの連携もあり、書類の読み取りや本のスキャンがしっかりこなせる精度です。
実際に紙の資料を撮影してみたところ
- 文字の輪郭もはっきり
- 影の入り方も少なく
- OCRの文字認識精度も高め
と、ドキュメント用途には必要十分以上の性能を感じました。
フロントカメラ:ビデオ通話も可能
前面には500万画素のフロントカメラが搭載されており、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ通話にも対応します。
ただし、白黒ディスプレイの都合で相手の映像表示はグレーっぽくなるので、映像メインの会議よりも“音声+最低限の映像”と割り切ったほうが良いかもしれません。
というか、大事な場面なら使わないほうが良いですね。
通信・GPS・センサーまわり
HiBreak Proは「電子ペーパー端末」という印象が強いですが、スマホとしての通信・位置情報機能もかなり充実しています。
📶 通信性能:5G・デュアルSIM対応
この機種は5G通信に対応しており、しかもデュアルSIM(nanoSIM×2)構成。
実際に国内SIMを挿してみましたが、4Gも問題なく掴み、ネットもスムーズに接続できました。
ただし、技適マークは搭載されていないため、国内での使用はあくまで自己責任になります。
(読者の皆さんには、購入・使用時にはその点も十分ご注意いただきたいです)
通信対応バンドの一例(公式より)
- 5G:n1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79
- 4G:B1 / B2 / B3 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B20 / B28 / B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B66
日本の主要バンドは概ねカバーしており、実用面では問題ない印象です。
🧭 GPS・ジャイロ・コンパスなども対応
HiBreak ProはGPS・電子コンパス・ジャイロセンサーを搭載しているため
- Googleマップでの現在地表示
- 方向確認
- ナビゲーションアプリの使用
なども、普通のスマホと同じように利用できます。
ただし注意点として、E Inkは白黒表示のため、マップの視認性はやや厳しいです。
道の形やランドマークがグレーの濃淡でしか判別できず、正直見にくいと感じました。
そのため、マップ目的で使うなら、一般的なスマホのほうが断然に使いやすいと思います。
良いところまとめ(メリット)
HiBreak Proを数日間しっかり使ってみて、「これ、意外とアリだな…」と感じたポイントがいくつかあります。
ここでは、僕が特に良かったと感じた点をまとめてみました。
✅ 1. とにかく目に優しいE Inkディスプレイ
長時間使っても目が疲れにくく、ブルーライトゼロなので、夜の読書やSNSも安心。
「スマホで目が休まる」って、なかなか体験できない感覚です。
✅ 2. 電池持ちが良い
E Ink+省電力チップの組み合わせで、1回の充電で2〜3日持つことも。
モバイルバッテリーの出番が減りました。
✅ 3. 高性能チップ搭載で動作が快適
Dimensity 1080+8GB RAMで、電子ペーパーとは思えないサクサク感。
複数アプリを開いても落ちにくく、普通のスマホに近い感覚で使えます。
✅ 4. 読書・情報整理に特化した独自機能
OCR、TTS、翻訳、辞書、注釈など、読書や学習に向いた便利機能が満載。
ただ読むだけじゃない“使える”E Ink端末だと感じました。
✅ 5. Google Play対応で拡張性が高い
標準でPlayストアが入っていて、自分好みにカスタマイズできるのも大きな強み。
KindleやChrome、LINEなどの主要アプリも問題なく動きます。
惜しいところまとめ(デメリット)
便利な点が多いHiBreak Proですが、完璧なスマホではありません。
特に「電子ペーパーだからこその制限」はどうしても存在します。以下は僕が実際に使って感じた惜しいです。
❌ 1. スクロールや操作のもたつきはある
「SSS」高速リフレッシュ対応とはいえ、液晶ディスプレイのような滑らかさはありません。
特にWebページのスクロールや、アニメーションが多いアプリではカクつきを感じます。
❌ 2. 動画・ゲームには不向き
白黒表示かつ反応速度が遅いため、YouTube視聴やゲームプレイにはまったく向いていません。
あくまで静的コンテンツ向けのデバイスだと割り切る必要があります。
❌ 3. MAPやナビ表示は白黒だと視認性が低い
GPSやジャイロには対応していますが、Googleマップの画面が白黒のため見にくく、特に細かい道の把握は難しいです。
マップ用途がメインなら、普通のスマホを使った方が安心です。
❌ 4. 技適マークがないため、国内利用は自己責任
日本国内では技適マークがない製品は原則利用できません。
実際に使う場合は、“自己責任”で使う必要があります。
❌ 5. 日本語入力の初期設定が少し手間
標準では日本語IMEが入っていないため、Playストアから「Gboard」などをインストールして設定が必要。
スマホに詳しくない人には少しハードルが高いかもしれません。
どんな人におすすめ?
HiBreak Proは万人向けのスマホではありません。
でも、ハマる人にはとことんハマる“尖った魅力”を持った一台だと僕は感じました。
以下のような方には特におすすめです。
1. 目の疲れを減らしたい人
長時間スマホを見ると目がしんどくなる…そんな人にはE Inkディスプレイの優しさが本当にありがたいです。
仕事や勉強の合間、夜の読書などに最適。
2. 電子書籍やドキュメントを読む機会が多い人
KindleやPDFリーダーとして使いたい人にとって、HiBreak Proは読書専用機+スマホの2役を果たします。
OCRや翻訳、辞書機能もついていて、学習用デバイスとしても優秀です。
3. SNSや通知を“ほどよく制限”したい人
カラーでピカピカ光るスマホに疲れている人や、SNSに振り回されがちな人にとって、E Inkスマホは“強制的にゆるやかな環境”を作れる道具になります。
スマホ依存から抜け出したい人にもぴったり。
4. ミニマリスト志向の人
物を減らしたい人にとって、「スマホ1台で読書も通話もできる」というのは魅力です。
電子ノート・辞書・スキャナの役割まで果たすので、荷物が一気に減らせます。
逆に、ゲームや動画を重視する人、マップや写真を頻繁に使う人には不向きなので、「使い方がハマる人」にこそ真価を発揮する端末です。
まとめ|“使い方がハマれば手放せない”E Inkスマホ
HiBreak Proは、いわゆる「万人向けのスマホ」ではありません。
人選ぶ確率は高いです。
でも、読書・資料の閲覧・集中した作業など、使い方がフィットする人にとっては、これ以上ないパートナーになり得る1台だと思います。
僕自身、最初は「面白そうな変わり種スマホ」という気持ちで触ってみましたが、目に優しく、集中できて、しかもバッテリーが持つ。
気がつけば、日常の中で手に取る時間が少しずつ増えていきました。
動画やゲームには向かない、技適がないなど注意点もありますが、それ以上に「スマホに振り回されず、自分のペースで使える」という価値は大きいです。
「目と心にやさしいスマホ」を探している方は、ぜひチェックしてみてください。