「耳をふさがないのにANC(ノイズキャンセリング)が効く。」
言葉だけ見ると矛盾したように感じますが、実際に使ってみると“ながら聴き”の快適さがまったく違いました。
UGREEN「ClipBuds Pro(HiTune S8)」は、メーカーによると世界初のANC搭載イヤーカフ型イヤホン。
耳を塞がず開放的なまま雑音を軽減できるという、従来のオープン型ともカナル型とも違う新しいアプローチの製品です。
LDAC&ハイレゾ対応、マルチポイント(2台接続)、急速充電、アプリ対応など、機能もフラグシップに近い内容。
価格は8,990円前後、セールでは5,000〜6,000円台と手が届きやすいのもポイント。
今回は 外観・装着感・ANC性能・音質(低音〜高音まで詳細)・遅延・通話品質・アプリ機能 を実機で徹底レビューしていきます。

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動画でも紹介
YouTubeでもレビューしています。
よりイメージしやすいと思いますので、こちらもご覧ください。
製品概要・主な特徴

まずはポイントを簡単に整理します。
ポイント
- イヤーカフ型 × ANCの世界初(メーカー表記)
- 耳をふさがないオープン型
- 11mmチタニウムドライバー/ハイレゾ認証/LDAC対応
- Bluetooth 6.0相当チップ(メーカーの独自強化仕様)
- マルチポイント対応(2台同時接続)
- 最大32時間再生(本体7.5h)
- 急速充電:10分で約2時間再生
- ENC通話ノイキャン(6マイク)
- IPX5防水
- 専用アプリ対応:EQ・ANC切替・空間オーディオ・操作カスタム
機能面だけ見ると、1万円以下とは思えないほど「全部入り」なスペックです。
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■ 外観・着用感レビュー
パッケージはUGREENの従来のイヤホンのデザインと変わらず、全体的にシンプルな感じになっている。
パット見で同メーカーのイヤホンと、パッケージの見た目がほぼ一緒なので、一瞬判別しにくい。

● 同梱物
同梱物はガイドと充電用のUSBケーブル(UAB-A to C)が付属

● ケースの外観
ClipBuds Proのケースは 非常にコンパクト。
ポケットにスッと入る、角が丸いデザインで、手触りはサラッとしたマットコーティング。

手のひらにおさまるサイズ感
角丸で引っかかりがなくポケットに入れやすい
指紋がつきにくいマット仕上げ


大きさはAirPods Proより少しだけ横幅がある程度で、“毎日持ち歩ける軽快さ” をちゃんと守った設計。
イヤホンは完全に左右固定になっているので、装着の向きを変えることはできない。

● イヤーカフ型だが“インイヤー寄り”の音導角度が特徴
ClipBuds Proは耳たぶを挟んで固定するイヤーカフ方式ですが、スピーカー部分が 耳穴方向へしっかり角度を向けている のが大きな特徴。


これにより
- 耳穴を完全には塞がない
- でも音はしっかり耳内部へ届く
- 他社のイヤーカフ型よりフィット感が強い
という絶妙な構造になっています。
● フィット感:一般的なイヤーカフより安定
一般的なイヤーカフ型は「浮きやすい」「ズレやすい」ことがありますが、ClipBuds Proは 耳の形に沿うように固定されるため安定性が高い。

- 耳たぶが厚い人 → しっかりフィット
- 薄い人 → 多少フィットが弱くなるが、普通のイヤーカフよりは安定
カナル型のような圧迫感はゼロで、長時間の在宅作業・家事・散歩でも疲れにくい装着感です。
● 生活導線での使いやすさ
- 片手で装着しやすい
- 外音を自然に取り込めるので安全
- 付けっぱなしで作業できる快適さ
“ながら聴き”が前提の人とは相性が良い構造です。
ANC・外音取り込み性能レビュー

● 本当にイヤーカフ型でANCが効くのか?
結論:しっかり効く。ただし方向性はカナル型とは異なる。
イヤーカフは耳を塞がないため、「完全な静寂」にはならないのは構造上当然。
しかし
エアコンの低周波
- 車の走行音
- PCファン
こういった低音ノイズは明確に軽減されます。
● 環境別の体感
- カフェのざわざわ:30〜40%軽減
- エアコン・冷蔵庫:しっかり減る
- 屋外の車の走行音:低音が薄くなる
- 人の声・アナウンス:そのまま通る(安全性◎)
ながら聴き用のANCとして非常に優秀。
● 風切り音
風が強い日は多少入るものの、オープン型の中では抑えめ。
自転車走行では少し気になる程度。
音質レビュー(低音・中音・高音まで詳しく)

ClipBuds Proは“イヤーカフ型”ですが、スピーカーの向きが耳穴(外耳道)に向けて傾いている構造 のため、一般的なオープンイヤー(Shokzの骨伝導・Oladance系)よりも 音が耳の中に直接入る感覚が強い のが特徴です。
その結果、音の傾向は“オープン型とインイヤー型の中間”という独特のバランスになっています。
低音(Bass)
量は控えめ
ただしタイトで輪郭のある低音
インイヤー寄り構造のおかげで、純オープン型よりはしっかり届く
ブーミーな膨らみは無く、締まりのあるタイプ
イヤーカフ型は基本的に低音が弱い構造ですが、ClipBuds Proは ドライバー位置が耳穴方向に近いため、骨伝導よりはっきり低音を感じる という利点があります。
しかしカナル型のような重低音は物理的に難しいため、EDM・重低音系はEQでブーストするとバランスが整うタイプ。
中音(Mid)
ボーカルが明確に前に出る
楽器の存在感がくっきり
インイヤー型にかなり近い中域の密度
オープン型とは思えない“芯のある声”が聴ける
中音は本機の得意分野。
イヤーカフ型にありがちな“音が散って遠く聞こえる”感じがほとんどなく、声・ギター・ピアノの輪郭が非常にクリアで近い。
ボーカル中心の曲はかなり相性が良い。
高音(Treble)
伸びが良く、刺さらない自然な高域
シンバルの余韻が滑らか
解像度は価格以上
LDAC時はさらに透明感が増す
特に高域の分離感が優秀で、「耳を塞がないのにこんなに細かい音が見えるの?」という驚きがある。
チタニウムドライバーの“シャリ感のある強めの高音”ではなく、やや丸みのある上品なチューニング。
空間表現・定位
- 開放型らしい自然な広がり
- ボーカルはセンター固定で安定
- インイヤー的な定位の強さも併せ持つ
まさに “開放感 × 解像度の両立” を実現した音作り。
総評
このイヤホンは “イヤーカフ型なのに音質がいい”ではなく、インイヤー寄りの音像で攻めてくる新しいオープン型”という印象。
開放型の快適さ
インイヤーの定位と中域の存在感
LDACの細かさ
これが全部両立しているのが大きな強み。
特に ボーカルと中高域の透明感は、この価格帯ではトップクラス と言っていい仕上がり。
ジャンル別の向き不向き
◎ 相性が良いジャンル
- J-POP
- 女性ボーカル
- ロック(中域重視)
- ピアノ・アコースティック
- ASMR
- ライブ音源
△ 弱いジャンル(EQ必須)
- EDM
- トラップ
- 重低音メインのクラブ系
遅延・マルチポイント・通話品質

● 遅延(動画・ゲーム)
- YouTube → ほぼずれなし
- SNS動画 → 問題なし
- ゲーム → 多少遅延あり
(ゲームモードONで改善)
オープン型としては十分優秀。
● マルチポイント(2台同時接続)
切り替えの速さはかなり良い。
- スマホで音楽 → PC再生ですぐ切り替え
- Zoom・Discordでも安定
- 切断しないタイプの賢いマルチポイント
実用性は高い。
● 通話品質(6マイクENC)
- 室内:クリアで安定
- 屋外:雑音が抑えられつつ声は通る
- 風の強い日は少しノイズあり
価格帯を考えれば十分良い通話性能です。
バッテリー・充電・アプリ
● バッテリー性能
- イヤホン単体:最大7.5時間
- ケース込み:最大32時間
- 急速充電:10分で約2時間再生
LDAC使用時は4〜5時間台に落ちるので、長時間フライトや公共交通機関の利用時などには向きません。
● アプリ機能(非常に優秀)
- EQプリセット
- カスタムEQ
- ANC/外音/ノーマル切替
- 空間オーディオ
- ゲームモード
- タッチ操作カスタム
特にEQがよく効くので、弱点を補いやすいです。
スペック表(ブログ用)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | UGREEN ClipBuds Pro(HiTune S8) |
| タイプ | イヤーカフ型・オープン型 |
| ドライバー | 11mmチタニウムドライバー |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
| 通信方式 | Bluetooth 6.0相当(メーカー独自表記) |
| ANC | 搭載(イヤーカフ構造としては強め) |
| 通話用ノイキャン | ENC(6マイク) |
| 再生時間 | 本体7.5h / ケース込み32h |
| 急速充電 | 10分で最大2h再生 |
| 防水 | IPX5 |
| 重量 | 約6.1g(片耳) |
| マルチポイント | 対応(2台同時接続) |
| アプリ | EQ・ANC切替・空間オーディオ・操作カスタム |
| ハイレゾ | 実機パッケージでHi-Res Wirelessロゴ確認済み |
| 参考価格 | 8,990円(2025年12月時点の価格) |
どんな人におすすめ?

◎ 買うべき人
- カナル型が痛い・疲れる人
- 耳を塞がずANCの恩恵を受けたい人
- 在宅ワークや家事のながら聴き
- 安全に外音を聞きながら散歩・通勤したい
- オープン型でも音質に妥協したくない
- 5,000〜7,000円台で高機能モデルが欲しい
❌ 合わない人
- カナル型級の静寂が欲しい
- 極太の重低音が好み
- 耳たぶが極端に薄くフィットしにくい人
まとめ(メリット・デメリット)
◎ 良かったところ
- イヤーカフ型でもANCがしっかり効く
- 耳が疲れにくい“インイヤー寄りの音導角度”
- LDAC+ハイレゾで開放型とは思えない解像度
- ボーカル・中高域が非常に綺麗
- マルチポイント・急速充電・アプリ対応
- セール時のコスパが高い
△ 気になったところ
- カナル型のANCほどの静寂にはならない
- 低音は控えめ(EQで補正可)
- フィット感は耳の形に左右される
- LDAC使用時は再生時間が短め
総評

ClipBuds Proは、「耳をふさがず音質もANCも欲しい」という、難しい要求を高いレベルで満たした、非常にユニークなイヤホンです。
普通のオープン型の「音が遠い」「低音が弱い」「ズレる」という弱点をしっかり克服しつつ、インイヤー型に迫る定位・中域の明瞭さを実現。
ながら聴きを快適にしたい人にとって、価格以上の価値がある1台だと感じました。
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