「石けんが有害物質に指定されるかもしれない」
そんなニュースを見て、驚いた方も多いのではないでしょうか?
僕もその人ひとりです。
その中でも、自然派石けんの代表格である「シャボン玉石けん」が環境省に要望書を提出したという動きは、多くの人に強い衝撃を与えました。
石けんといえば、「環境にやさしい」「体にやさしい」というイメージの代表格。
僕もシャボン玉石けんの製品は、洗剤・石けん・歯磨き粉など、多岐にわたり愛用しています。
それが今、なぜ“有害物質”として議論されているのでしょうか?
本記事ではこの問題について、制度の仕組み・科学的根拠・業界の反応・そして僕たち消費者が取るべき姿勢まで、段階的に、冷静に考察していきます。
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第1章:PRTR制度とは?
今回、ニュースで記載されてあったPRTR制度とは、「Pollutant Release and Transfer Register」の略で、有害性のある化学物質の排出量や移動量を把握・管理する仕組みです。
この制度の目的は、化学物質による環境への負荷を見える化し、適切な対策や情報公開を行うこと。
対象となる化学物質のリスト(第一種指定化学物質)は、環境省と経産省が定期的に見直しをしています。
指定された物質を使用する事業者には、毎年、排出量や移動量を国に報告する義務が生じます。
この制度は、基本的に環境保全の観点から重要な役割を担っているといえます。
第2章:なぜ石けんが対象に?
問題となっているのは、環境省が公表した見直し候補物質リストの中に、石けんの主要成分である脂肪酸カリウムなどが含まれていたことです。
石けんといえば、「自然にやさしい」「生分解性が高い」という印象が強いですが、今回の制度では、一定の濃度で魚類などに影響を与える可能性があるという観点から候補に上がったと見られます。
しかし、ここには大きな問題があります。
それは、「自然派石けん」と「合成洗剤」を区別せず、同列に扱っているのではないかという点です。
本来、安全性や環境負荷が大きく異なる製品群をひとまとめにして評価することが、果たして適切なのでしょうか?
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第3章:シャボン玉石けんの訴え
2025年7月、無添加石けんの製造・販売で知られる「シャボン玉石けん株式会社」は、環境省に対して要望書と有害性報告書(石けん成分と製品)を正式に提出しました。
その中で同社は、「PRTR制度の見直しにおいて、最新の科学的知見に基づいたリスク評価が必要だ」と主張。
不当な指定によって、安全な石けん製品までもが有害物質と誤認される危険性を訴えました。
また、制度の運用次第では、中小企業や自然派メーカーが負担に耐えきれず、撤退を余儀なくされる可能性もあります。
同社のこうした動きは、「環境と人にやさしい製品を守りたい」という信念に基づくものであり、多くの生活者にとっても、非常に重要なメッセージであるといえます。
第4章:石けんは本当に有害なのか?科学的に検証
結論からいえば、「石けん=有害」という見方には大きな誤解があります。
石けんの主成分である脂肪酸カリウム・脂肪酸ナトリウムは、天然の油脂(植物油・動物油)とアルカリによって生成される、非常にシンプルで、生分解性の高い物質です。
水環境中でも微生物によって速やかに分解され、生態系への長期的残留や蓄積の心配はほとんどありません。
特に「シャボン玉石けん」の製品は、無添加・防腐剤不使用・合成香料不使用など、人の肌と環境に配慮した配合を徹底しており、敏感肌の方や赤ちゃんにも選ばれている実績があります。
一方で、合成洗剤のリスクは?
それに対して、一般的な合成洗剤には以下のような成分が含まれています。
- 合成界面活性剤(皮膚への刺激・乾燥を引き起こす)
- 蛍光増白剤(衣類に残留しやすく、肌荒れの原因にも)
- 合成香料(VOCとして揮発し、頭痛・めまいの要因に)
- パラベン系防腐剤(ホルモンかく乱作用の可能性)
こうした成分は、一部では内分泌撹乱作用(環境ホルモン)や化学物質過敏症との関連性が指摘されています。
特に長期的な使用や体質的に敏感な方にとっては、無視できない健康リスクとなる場合もあるのです。
にもかかわらず、これらの製品が主流であり続ける一方で、自然派石けんが“規制対象”にされる可能性がある。
この矛盾に、疑問を感じずにはいられません。
環境にも体にもやさしいって、科学的にも証明されています。
↓合成洗剤と石けん洗剤の動画を見てみよう。あなたの考えは変わるかもしれない。
第5章:もし指定されたら何が起きるのか?
PRTR制度で「第一種指定化学物質」に指定されると、企業には以下のような影響があります。
- 使用・排出量の毎年報告義務(人件費・管理コストが大幅に増加)
- 製品への「有害成分含有」の印象が強まり、消費者離れが進む
- 中小企業や自然派ブランドは対応が困難になり、撤退・廃業のリスク
そして結果的に、大手の合成洗剤メーカーが市場を独占しやすくなる構図が生まれる可能性も。
これは利権か?それとも自然派潰しか?
もちろん、これは推測にすぎません。
しかし、制度の見直しが「合成洗剤ではなく石けんに向けられている」こと。
また、合成洗剤メーカーには大企業が多くを占めていることを考えると、業界構造の変化や利権の流れを疑う声が出てくるのも無理はありません。
制度そのものの意図がどうであれ、現実として“やさしいもの”が淘汰されてしまうような流れがあるのだとしたら、それはやはり、見過ごすべきではない問題だと感じます。
第6章:僕たちにできること
石けんのような「環境にやさしい製品」までもが、有害物質として制度の網にかかろうとしている。
この事実に対し、多くの人が疑問や不安を抱くのは当然のことです。
中でも、長年にわたり“無添加・環境配慮”を徹底してきたシャボン玉石けんのような企業が、行政に対して要望書を提出しなければならない状況に追い込まれているというのは、やはり深刻です。
もちろん、環境省がPRTR制度を通じて化学物質の排出量を把握し、環境保護に努めようとする姿勢そのものは、否定すべきではありません。
むしろ、社会全体として環境リスクに敏感であることは大切なことです。
しかし、今回のように石けんのような安全性の高い製品までが一律に有害の候補とされてしまうことで、その評価基準や運用方法には、もっと透明性や柔軟性が必要ではないかと感じます。
特に、石けん業界や中小企業、そして私たち消費者の声が届きにくい制度であれば、それは「暮らしから遠いところで決められた仕組み」になってしまいます。
制度とは本来、「国民の生活を守るため」にあるものです。
だからこそ、現場の声や生活実感を反映した制度設計と運用が求められているのではないでしょうか。
今回の動きに違和感を覚えた方へ、私はこう問いかけたいのです。
「これは本当に、環境と人のための制度なのか?」
そして、そうした疑問を持ったときこそ、僕たちは消費者としての声を上げる必要があると思います。
「自然にやさしい石けん」を選ぶことは、単に製品を選ぶ行動にとどまらず、どんな社会を望むのかを表明する行為でもあるのです。
本当にやさしいものが、制度や規制の名のもとに“潰されていく”ような社会になってほしくない。
そう願うからこそ、僕は今回の問題を見過ごすことができませんでした。
僕はこれからもシャボン玉石けんを使います。
ちなみに僕が使っている、シャボン玉石けんの製品の一部を紹介します。
よかったらチェックしてみてください。
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